たちばなさんのにちじょう

某SMクラブのスタッフで元キャストで大学生でたぶんマゾヒスト

社会学ではなくルポだ / 『キャバ嬢の社会学』(北条かや)の読書感想文

ものすごく今更感があるけど、『キャバ嬢の社会学』を読んだ。

 

内容はいつも通り割愛。

というか、正直内容なんてない。

 

「女らしさとは何」かという問題意識を軸にしてるのか、それとも「キャバ嬢になるとはどういうことか」という問題意識なのか、あまり見えてこない。

 

さらに、「キャバ嬢でありながらキャバ嬢でない」という演出が指名に繋がるという主張をする一方で、「カオとカネの交換」の世界だと主張するのは、些か矛盾を孕みすぎているのではないかと感じた。

また、「女は誰でもキャバ嬢になり得る」と語ったにも関わらず、キャバ嬢を普遍的な存在として捉えていないように感じられた。

 

最大の問題点は、キャバクラでの「調査」に基づいて書かれた作品にも関わらず、調査許可をとらずにおこなわれた「調査」であったことにある。

社会調査には、調査倫理というものがあるはずで、無許可でおこなわれたこの「調査」を社会調査と呼んでいいのだろうか。

これは社会学というより、ルポルタージュの一種、いわば潜入ルポとして見なすべきではないだろうか。

(無論、ルポだからと言って取材許可を得なくていいというわけでもない)

 

実際には調査許可を得ていたにも関わらず、新書として出版するにあたって調査許可を得た旨をあえて書かず、「調査で来てるなんて言えない」と書いたのかもしれないが、そうであれば『キャバ嬢の社会学』というタイトル付けなどするべきではない。

 

この本を読んだ成果は、内容もない上に調査倫理も守られていない修士論文のおかげで、改めて調査倫理の重要性について考える機会を得たことくらいだろう。